マスクメロン(Musk Melon)は、ジャコウ(Musk)のような強い芳香を持つメロンの総称で別名ジャコウウリとも呼ばれます。日本では、主にアールスフェボリット又はその系統の品種のことを指し品種名ではありません。
 マスクメロンのシンボルとされているT字形のつる。これは1本の木に1つの果実だけを実らせたことの証明です。1個の果実に1本の木の全栄養を注ぎ込んではじめて、マスクメロンが誕生します。

 メロンの起源はとても古いということは分っていますが、その起源には諸説あり未だなぞに包まれています。繋がりの深い野生種が数多く生息しているアフリカが原産という説が有力で、紀元前3000年ごろに栄え世界四大文明にも数えられる古代エジプト文明の壁画にも原型が描かれていると言われます。また、アフリカから中近東をへてヨーロッパに渡ったものと言われ、古代ギリシャ・ローマ時代の記録に登場しているとも言われています。
 しかし、原産地をインドとする説もあり、さらにその説から発展し、太古の大陸移動が起こる前の超大陸パンゲアに生息しており、現在、二つに分かれたという説までもあります。日本でも、メロンの祖先となるウリ科の植物の種が、弥生時代のものと推測される遺跡から出土したこともあり、大昔の日本にもメロンの原型があったことが伺えます。

マスクメロンの原産国はイギリスで、開発が始められたのは今から数えて100年以上も前、19世紀の話で、とある貴族の家で働く農園の園長によって作られたアールスフェボリットが始まりでした。その後19世紀の終わりごろ、明治時代には日本にやってきたと言われています。農学博士としては有名で、園芸かでもあった福羽 逸人氏による改良が重ねられ、明治の終わりから大正時代にかけて、日本でも栽培が広まりました。それまでの日本のメロンというと、高級品ではありましたが、比較的甘味も少なく網目模様のない品種だったので、甘いマスクメロンは大きな人気となったようです。

メロンの起源
マスクメロンの歴史
メロンの食べ頃
星名ファーム
東松島市
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マスクメロン

 熟成した食べ頃のメロンの見分け方は、弾力、香り色の3つで確認できます。まず、メロンの底の方、つるから遠いほうのお尻の部分を指で軽く押してみて、少しやわらかさを感じるようなら食べ頃です。色も黄色みをおびていて、香りも独特の甘い香りが漂ってきているはずかと思います。まずは常温で熟させ、食べる前に冷蔵庫などで1,2時間ほど冷やせば、美味しいメロンが召し上がれます。

糖分・カリウム・ビタミンC・食物繊維
メロンに含まれる代表的な栄養素
アールス・フェボリット

 イギリスのマスクメロンの原点、アールスフェボリットですが、実は夕張メロンの母親にもなっているのです。アールスフェボリットとは意味のある言葉で、アールスとは「伯爵の」という意味で、フェボリットは、最近日本でもカタカナ語になった「フェイバリット」つまり「お気に入り」という意味があります。つなげてみると「伯爵様のお気に入り」という名前のメロンなのですね。この伯爵様とは、アールスメロンを開発したワード農園長が仕えていたラドナー伯爵ということなのだそうです。貴族の愛したアールスメロンというわけです。

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